肺炎球菌(肺炎、気管支炎など)とその対応・予防

【特徴】
肺炎球菌は人の鼻腔や咽頭などに常在し、健康成人でも30〜70%は保有している。しかし、体力の落ちているときや高齢者など、免疫力が低下しているときに病気を引き起こす。肺炎球菌が引き起こす主な病気としては、肺炎、気管支炎などの呼吸器感染症や副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎などがある。 また、日本においてペニシリン耐性肺炎球菌が増えており、臨床で分離される肺炎球菌の30〜50%を占めているといわれている。

【平常時の対応】
肺炎などの病気から身体を守るためには、うがいをすること、手を洗うことが大切である。感染経路としては、飛沫感染が主であるが」・接触感染などもある。高齢者施設などでは、インフルエンザウイルスなどの感染時に二次感染する頻度が高くなっている。慢性心疾患、慢性呼吸器疾患、糖尿病などの 基礎疾患を有する入所者は、肺炎球菌感染のハイリスク群である。ハイリスク群である入所者には、重症感染予防として肺炎球菌ワクチンの接種が有効である。
事前対策としては、75歳以上の利用者の方について肺炎球菌ワクチンの接種を行う。主治医が必要と認めた場合、もしくは利用者及びその家族が希望された場合、本人とその家族へ予防接種についての予防接種の必要性、有効性、副反応について本人とその家族へ十分説明する。また、再接種はで きないことになっているので、健康手帳等で確認を行う。接種の同意が得られた後、安全に接種が受けられるよう配慮した上で接種をする。

【発生時の対応】
●標準的予防措置(策)と飛沫感染予防策で対応する。
●手洗い・手指消毒の徹底やうがいの励行が必要である。
●ペニシリン耐性肺炎球菌感染症は、5類感染症であり、定点医療機関から保健所へ月単位で報告することになっている。

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