施設及び設備に関する基準
第五章 ユニット型介護老人保健施設の基本方針並びに施設、設備及び運営に関する基準
 第二節 施設及び設備に関する基準

(厚生労働省令で定める施設)

第四十一条  ユニット型介護老人保健施設は、次に掲げる施設を有しなければならない。ただし、ユニット型サテライト型小規模介護老人保健施設(ユニットごとに入居者の日常生活が営まれ、これに対する支援が行われるサテライト型小規模介護老人保健施設をいう。以下同じ。)の場合にあっては、本体施設の施設を利用することにより、当該ユニット型サテライト型小規模介護老人保健施設及び当該本体施設の入居者の処遇が適切に行われると認められるときは、調理室、洗濯室又は洗濯場及び汚物処理室を、ユニット型医療機関併設型小規模介護老人保健施設(ユニットごとに入居者の日常生活が営まれ、これに対する支援が行われる医療機関併設型小規模介護老人保健施設をいう。以下同じ。)の場合にあっては、併設される病院又は診療所の施設を利用することにより、当該ユニット型医療機関併設型小規模介護老人保健施設及び当該病院又は診療所の入居者又は入院患者の処遇が適切に行われると認められるときは、療養室及び診察室を除き、これらの施設を有しないことができる。

一  ユニット

二  診察室

三  機能訓練室

四  浴室

五  サービス・ステーション

六  調理室

七  洗濯室又は洗濯場

八  汚物処理室

2  前項各号に掲げる施設の基準は、次のとおりとする。

一  ユニット

イ 療養室

(1) 一の療養室の定員は、一人とすること。ただし、入居者への介護保健施設サービスの提供上必要と認められる場合は、二人とすることができる。

(2) 療養室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの共同生活室に近接して一体的に設けること。ただし、一のユニットの入居定員は、おおむね十人以下としなければならない。

(3) 一の療養室の床面積等は、次のいずれかを満たすこと。

(i) 十三・二平方メートル以上を標準とすること。ただし、(1)ただし書の場合にあっては、二十一・三平方メートル以上を標準とすること。
(ii) ユニットに属さない療養室を改修したものについては、十・六五平方メートル以上とすること。ただし、(1)ただし書の場合にあっては、二十一・三平方メートル以上を標準とすること。これらの場合には、入居者同士の視線の遮断の確保を前提にした上で、療養室を隔てる壁について、天井との間に一定の隙間が生じていても差し支えない。

(4) 地階に設けてはならないこと。

(5) 一以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して設けること。

(6) 寝台又はこれに代わる設備を備えること。

(7) 入居者の身の回り品を保管することができる設備を備えること。

(8) ナース・コールを設けること。

ロ 共同生活室

(1) 共同生活室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの入居者が交流し、共同で日常生活を営むための場所としてふさわしい形状を有すること。

(2) 一の共同生活室の床面積は、二平方メートルに当該共同生活室が属するユニットの入居定員を乗じて得た面積以上を標準とすること。

(3) 必要な設備及び備品を備えること。

ハ 洗面所

(1) 療養室ごとに設けるか、又は共同生活室ごとに適当数設けること。

(2) 身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。

ニ 便所

(1) 療養室ごとに設けるか、又は共同生活室ごとに適当数設けること。

(2) ブザー又はこれに代わる設備を設けるとともに、身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。

(3) 常夜灯を設けること。

二  機能訓練室

 一平方メートルに入居定員数を乗じて得た面積以上の面積を有し、必要な器械・器具を備えること。

三  浴室

イ 身体の不自由な者が入浴するのに適したものとすること。

ロ 一般浴槽のほか、入浴に介助を必要とする者の入浴に適した特別浴槽を設けること。

3  前項第二号及び第三号に掲げる設備は、専ら当該ユニット型介護老人保健施設の用に供するものでなければならない。ただし、入居者に対する介護保健施設サービスの提供に支障がない場合は、この限りでない。

4  前三項に規定するもののほか、ユニット型介護老人保健施設の設備構造の基準は、次に定めるところによる。

一  ユニット型介護老人保健施設の建物(入居者の療養生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物とすること。ただし、療養室等を二階以上の階及び地階のいずれにも設けていないユニット型介護老人保健施設の建物は、準耐火建築物とすることができる。

二  療養室等が二階以上の階にある場合は、屋内の直通階段及びエレベーターをそれぞれ一以上設けること。ただし、ユニット型サテライト型小規模介護老人保健施設又はユニット型医療機関併設型小規模介護老人保健施設の場合は、機能訓練室は四十平方メートル以上の面積を有し、必要な器械・器具を備えること。

三  療養室等が三階以上の階にある場合は、避難に支障がないように避難階段を二以上設けること。ただし、前号に規定する直通階段を建築基準法施行令第百二十三条第一項 に規定する避難階段としての構造とする場合は、その直通階段の数を避難階段の数に算入することができる。

四  階段には、手すりを設けること。

五  廊下の構造は、次のとおりとすること。

イ 幅は、一・八メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は、二・七メートル以上とすること。なお、廊下の一部の幅を拡張することにより、入居者、従業者等の円滑な往来に支障が生じないと認められる場合には、一・五メートル以上(中廊下にあっては、一・八メートル以上)として差し支えない。

ロ 手すりを設けること。

ハ 常夜灯を設けること。

六  入居者に対する介護保健施設サービスの提供を適切に行うために必要な設備を備えること。

七  消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けること。

5  前項第一号の規定にかかわらず、都道府県知事が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、次の各号のいずれかの要件を満たす木造かつ平屋建てのユニット型介護老人保健施設の建物であって、火災に係る入居者の安全性が確保されていると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

一  スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室等火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火及び延焼の抑制に配慮した構造であること。

二  非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。

三  避難口の増設、搬送を容易に行うために十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造であり、かつ、避難訓練を頻繁に実施すること、配置人員を増員すること等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。


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