運営に関する基準
第五章 ユニット型介護老人保健施設の基本方針並びに施設、設備及び運営に関する基準
 第三節 運営に関する基準

(利用料等の受領)

第四十二条  ユニット型介護老人保健施設は、法定代理受領サービスに該当する介護保健施設サービスを提供した際には、入居者から利用料の一部として、施設サービス費用基準額から当該ユニット型介護老人保健施設に支払われる施設介護サービス費の額を控除して得た額の支払を受けるものとする。

2  ユニット型介護老人保健施設は、法定代理受領サービスに該当しない介護保健施設サービスを提供した際に入居者から支払を受ける利用料の額と、施設サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。

3  ユニット型介護老人保健施設は、前二項の支払を受ける額のほか、次に掲げる費用の額の支払を受けることができる。

一  食事の提供に要する費用(法第五十一条の三第一項 の規定により特定入所者介護サービス費が入居者に支給された場合は、同条第二項第一号 に規定する食費の基準費用額(同条第四項 の規定により当該特定入所者介護サービス費が入居者に代わり当該ユニット型介護老人保健施設に支払われた場合は、同条第二項第一号 に規定する食費の負担限度額)を限度とする。)

二  居住に要する費用(法第五十一条の三第一項 の規定により特定入所者介護サービス費が入居者に支給された場合は、同条第二項第二号 に規定する居住費の基準費用額(同条第四項 の規定により当該特定入所者介護サービス費が入居者に代わり当該ユニット型介護老人保健施設に支払われた場合は、同条第二項第二号 に規定する居住費の負担限度額)を限度とする。)

三  厚生労働大臣の定める基準に基づき入居者が選定する特別な療養室の提供を行ったことに伴い必要となる費用

四  厚生労働大臣の定める基準に基づき入居者が選定する特別な食事の提供を行ったことに伴い必要となる費用

五  理美容代

六  前各号に掲げるもののほか、介護保健施設サービスにおいて提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その入居者に負担させることが適当と認められるもの

4  前項第一号から第四号までに掲げる費用については、別に厚生労働大臣が定めるところによるものとする。

5  ユニット型介護老人保健施設は、第三項各号に掲げる費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、入居者又はその家族に対し、当該サービスの内容及び費用を記した文書を交付して説明を行い、入居者の同意を得なければならない。ただし、同項第一号から第四号までに掲げる費用に係る同意については、文書によるものとする。

(介護保健施設サービスの取扱方針)

第四十三条  介護保健施設サービスは、入居者が、その有する能力に応じて、自らの生活様式及び生活習慣に沿って自律的な日常生活を営むことができるようにするため、施設サービス計画に基づき、入居者の日常生活上の活動について必要な援助を行うことにより、入居者の日常生活を支援するものとして行われなければならない。

2  介護保健施設サービスは、各ユニットにおいて入居者がそれぞれの役割を持って生活を営むことができるよう配慮して行われなければならない。

3  介護保健施設サービスは、入居者のプライバシーの確保に配慮して行われなければならない。

4  介護保健施設サービスは、入居者の自立した生活を支援することを基本として、入居者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その者の心身の状況等を常に把握しながら、適切に行われなければならない。

5  ユニット型介護老人保健施設の従業者は、介護保健施設サービスの提供に当たって、入居者又はその家族に対し、サービスの提供方法等について、理解しやすいように説明を行わなければならない。

6  ユニット型介護老人保健施設は、介護保健施設サービスの提供に当たっては、当該入居者又は他の入居者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならない。

7  ユニット型介護老人保健施設は、前項の身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入居者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。

8  ユニット型介護老人保健施設は、自らその提供する介護保健施設サービスの質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。

(看護及び医学的管理の下における介護)

第四十四条  看護及び医学的管理の下における介護は、各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援するよう、入居者の病状及び心身の状況等に応じ、適切な技術をもって行われなければならない。

2  ユニット型介護老人保健施設は、入居者の日常生活における家事を、入居者が、その病状及び心身の状況等に応じて、それぞれの役割を持って行うよう適切に支援しなければならない。

3  ユニット型介護老人保健施設は、入居者が身体の清潔を維持し、精神的に快適な生活を営むことができるよう、適切な方法により、入居者に入浴の機会を提供しなければならない。ただし、やむを得ない場合には、清しきを行うことをもって入浴の機会の提供に代えることができる。

4  ユニット型介護老人保健施設は、入居者の病状及び心身の状況に応じて、適切な方法により、排せつの自立について必要な支援を行わなければならない。

5  ユニット型介護老人保健施設は、おむつを使用せざるを得ない入居者については、排せつの自立を図りつつ、そのおむつを適切に取り替えなければならない。

6  ユニット型介護老人保健施設は、褥瘡が発生しないよう適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制を整備しなければならない。

7  ユニット型介護老人保健施設は、前各項に規定するもののほか、入居者が行う離床、着替え、整容等の日常生活上の行為を適切に支援しなければならない。

8  ユニット型介護老人保健施設は、入居者に対し、その負担により、当該ユニット型介護老人保健施設の従業者以外の者による看護及び介護を受けさせてはならない。

(食事)

第四十五条  ユニット型介護老人保健施設は、栄養並びに入居者の心身の状況及び嗜好を考慮した食事を提供しなければならない。

2  ユニット型介護老人保健施設は、入居者の心身の状況に応じて、適切な方法により、食事の自立について必要な支援を行わなければならない。

3  ユニット型介護老人保健施設は、入居者の生活習慣を尊重した適切な時間に食事を提供するとともに、入居者がその心身の状況に応じてできる限り自立して食事を摂ることができるよう必要な時間を確保しなければならない。

4  ユニット型介護老人保健施設は、入居者が相互に社会的関係を築くことができるよう、その意思を尊重しつつ、入居者が共同生活室で食事を摂ることを支援しなければならない。

(その他のサービスの提供)

第四十六条  ユニット型介護老人保健施設は、入居者の嗜好に応じた趣味、教養又は娯楽に係る活動の機会を提供するとともに、入居者が自律的に行うこれらの活動を支援しなければならない。

2  ユニット型介護老人保健施設は、常に入居者の家族との連携を図るとともに、入居者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。

(運営規程)

第四十七条  ユニット型介護老人保健施設は、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程を定めておかなければならない。

一  施設の目的及び運営の方針

二  従業者の職種、員数及び職務の内容

三  入居定員

四  ユニットの数及びユニットごとの入居定員

五  入居者に対する介護保健施設サービスの内容及び利用料その他の費用の額

六  施設の利用に当たっての留意事項

七  非常災害対策

八  その他施設の運営に関する重要事項

(勤務体制の確保等)

第四十八条  ユニット型介護老人保健施設は、入居者に対し、適切な介護保健施設サービスを提供することができるよう、従業者の勤務の体制を定めておかなければならない。

2  前項の従業者の勤務の体制を定めるに当たっては、入居者が安心して日常生活を送ることができるよう、継続性を重視したサービスの提供に配慮する観点から、次の各号に定める職員配置を行わなければならない。

一  昼間については、ユニットごとに常時一人以上の介護職員又は看護職員を配置すること。

二  夜間及び深夜については、二ユニットごとに一人以上の介護職員又は看護職員を夜間及び深夜の勤務に従事する職員として配置すること。

三  ユニットごとに、常勤のユニットリーダーを配置すること。

3  ユニット型介護老人保健施設は、当該ユニット型介護老人保健施設の従業者によって介護保健施設サービスを提供しなければならない。ただし、入居者に対する介護保健施設サービスの提供に直接影響を及ぼさない業務については、この限りでない。
4  ユニット型介護老人保健施設は、従業者に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。

(定員の遵守)
第四十九条  ユニット型介護老人保健施設は、ユニットごとの入居定員及び療養室の定員を超えて入居させてはならない。ただし、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。

(準用)
第五十条  第五条から第九条まで、第十二条、第十四条から第十七条まで、第二十条、第二十二条から第二十四条の二まで及び第二十八条から第三十八条までの規定は、ユニット型介護老人保健施設について準用する。この場合において、第五条第一項中「第二十五条に規定する運営規程」とあるのは「第四十七条に規定する重要事項に関する規程」と、第二十四条第二項中「この章」とあるのは「第五章第三節」と、第三十八条第二項第二号中「第八条第四項」とあるのは「第五十条において準用する第八条第四項」と、第三十八条第二項第三号中「第九条第二項」とあるのは「第五十条において準用する第九条第二項」と、第二十四条の二中「第十四条」とあるのは「第五十条において準用する第十四条」と、第三十八条第二項第五号中「第二十二条」とあるのは「第五十条において準用する第二十二条」と、第二十四条の二第四号及び第三十八条第二項第六号中「第三十四条第二項」とあるのは「第五十条において準用する第三十四条第二項」と、第二十四条の二第五号及び第三十八条第二項第七号中「第三十六条第二項」とあるのは「第五十条において準用する第三十六条第二項」と、第三十八条第二項第四号中「第十三条第五項」とあるのは「第四十三条第七項」と読み替えるものとする。


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